Pedram ペドラム 江古田 @江古田駅南口江古田銀座商店街 商店街の角でケバブを売ってるスタンドがある。その後ろのビルの二階(ラーメンの福しんの上)に新たにお店ができたと聞いたので行ってみる。 ケバブからの連想でトルコ料理だと思い込んでいたが、ペルシャ料理のレストランだった。 狭い階段を上ると古いドアがあり、そこを開けると西アジアの音楽とアラベスク風のインテリアが展開する。気さくなマスターがどこでもお好きな席にと案内される。お昼時なのに誰もいない。 ランチは4種類。写真入りのメニューはわかりやすいようでよくわからない。 「ゴルメサブジ」はラム肉と香草と豆のシチューのようなもの。「ゲイメ」はラム肉とトマトと皮をむいた豆のシチュー、日本人には食べやすいように書いてある。「ゼレシュクポロ」塩とスパイスで味付けした鶏肉を乗せたライス料理。酸っぱいバーベリーがアクセントになったバスティマスライスとサフランライスと書かれている。それに「ケバブライス」。すべてたっぷりのスープ(この日は麦の入った鶏ととろみのある野菜と鶏のひき肉スープ)とサラダ(リーフレタスにサウザンドレッシング)、ドリンク(イランチャイなど)が付いている。 「ゼレシュクポロ」という聞いたこともないお料理を注文してみる。マスターによるとバーベリーは干しブドウのような乾燥ベリーで酸っぱいんだそうだ。 待つ間もなくたっぷりのスープとサラダが供される。麦のスープと説明されたそれはたいへん優しい味わいで、野菜とチキンの出汁だろうか、味わったことのない癖のないスパイシーでもない不思議なお味だ。サラダはたっぷりのちぎったサニーレタスにサウザンドレッシングをかけただけのいたくシンプルなつくりだがたっぷりだ。 厨房の中では料理をする音がしている。スープとサラダを終えてしばらく待っていると、真っ白の大きなプレートに美しく盛り付けられた「ゼレシュクポロ」が運ばれる。プレートの右側は白と黄色のバスティマスライスを美しく盛った上に真紅のバーベリーを散らしてあり、左側は、レタスの上によく煮込まれた鶏もも肉が一本煮汁をまとって乗っている。 お汁ご飯というわけではないが、ワンプレートのごはん料理だ。 塩を少し加えて炊いたバスティマスライスがおいしい。バーベリーは全く甘みのない酸っぱさが際立ってとてもいいアクセントになる。 鶏肉はほろほろに煮込まれていて、トマト煮込みと聞いた気もするがトマトの味わいやそれ以外のスパイス・ハーブの香りはあまりない。なんというか、とても懐かしい煮込みの味わいだ。ごはんと一緒にいただくが、案外ボリュームもあっていい感じにおなかが満たされる。 食べているとマスターが現れて、いかがですか、と聞かれる。とてもおいしい、やさしい味わいで懐かしい気がするとお伝えする。西アジアの男性の店主たちはとても距離感が近い気がしている。初めていらっしゃいましたよね、などといわれる。 食後はイランチャイが細くて小さなガラスのカップで供される。お店のバーコーナーに大きなサモワールがしつらえられていて、あれは上に沸いた薬缶がのっているのだ、それでお茶を淹れている。ここは什器がうつくしい。食器もこうした内装の器具も、宮廷風でもある。 お茶をいただいていると、常連と思しき西洋人らしい男性が現れてマスターと握手などをして席に着く。彼にはマグカップのチャイが供され、マスターは私に、彼はこのお茶が大好きなのでこの大きなカップで、など説明する。 ちょっと不思議空間で、ペルシャの不思議な素朴でとてもおいしいお料理を堪能する。次回は香草たっぷりの「ゴルメサブジ」をいただいてみたい。これが筆頭メニューなのだ。 ランチは980円、ケバブライスは780円だったか。コストパフォーマンスは頗るいい。
by e3eiei
| 2019-03-01 10:12
| 食べたもの 江古田界隈
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