VIA@早稲田通り西早稲田(「かわうち」と「紅梅」の路地を入る)
早稲田通りを歩いていると電柱に手書きのチラシが張りつけてあり、矢印の方向をみると「日替わり定食」ののぼりがはためいている。あれ、こんなところに喫茶店があったっけ、と近づいてみる。いかにも古めかしい、開店当時はこじゃれていたのかなあと思わせるような店構えだ。店頭の看板には日替わり定食について情報があふれていてよくわからないことになっている。ドアのガラス越しに見ると男子学生と思しき人影が複数見える。 ドアを押して入ってみると、カウンターとテーブルが3つくらいで、テーブルはすべて喫煙者でふさがっている。高齢の店主夫妻はなかなか気づいてくれない。3回くらいこんにちはと言いながら近づくとやっと気付いてくれる。そして、こちらへどうぞ、と奥に案内される。奥は20人くらい入る宴会スペース兼物置のようなあいまいな場所になっている。煙草のやにで茶色くなった壁にいろんな額がかかっているがどれも水平を保っていない。 ご店主がオーダーをとりにみえるので、日替わり定食は何ですか、と聞くと、「マグロは終わっちゃったので、生姜焼と、ええと、カレーと、もつ煮込みと、それからやまかけ定食です」と説明される。あまり魅力的なラインナップじゃないが生姜焼定食を注文する。 カセットテープ式のすすけたカラオケセットとブラウン管テレビとかダイヤル式の黒電話とか、昭和昭和したインテリアを鑑賞して待つ。向こうからジャーと肉を焼く音がする。 運ばれてきたのは、なかなか魅力的な定食だった。生姜焼のお皿のほかに小鉢が二つとみそ汁、ごはんと香のものという豪華なものだ。 生姜焼は玉ねぎ、ピーマン、いんげんと一緒に炒めてある。味付けは濃くてケチャップのような味があるが、お肉は箸で切れるように軟らかいロースが3枚たっぷり。付け合わせはスパゲティのケチャップ和えとレタスと緑の葉っぱとトマトのサラダ。サラダはドレッシングがかかっていないのがありがたい。小鉢1は小松菜ともやしの湯がいたの。これも何も味を付けていないので好みで醤油をかけるなりしていただく。小鉢2はキャベツとピーマンのバターしょうゆ炒め。みそ汁は豆腐となめこと小葱で、このみそ汁がなかなかおいしかった。香のものは大根の浅漬け、ごはんは新潟産コシヒカリとうたってありふつうにおいしい。ごく控えめによそってあるのは、たぶん客を見て加減しているのだろう。 全体的に味のメリハリがあり、野菜も積極的に使ってあってバランスの取れた健康的な食事ができると思う。 のんびり食べていると、予約の団体と思しき人々が次々奥の間に入ってくる。一様に異物をみるように一瞥され、お互いに最高に居心地の悪い思いをする。きっちりいただいて席を立つ。居心地悪いながらも食べながらその人たちの話が耳に入ってきたところでは、どうやらここは途中で一度経営者が変わったのだが、店のたたずまいは昔ながらなのらしい。 ご主人は、わたしが入ってきたときは表の部屋でみな喫煙していたから、と恐縮してたいへん謝られた。 日替わり定食は840円。 新目白通りのcafe de Sunぽみちをちょっと思い出させた。
by e3eiei
| 2012-07-10 01:52
| 食べたもの 早稲田界隈
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