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ヤロミールとクサヴェル

ミラン・クンデラ,1973=1995(2001),『生は彼方に』ハヤカワepi文庫.
 
 4月か5月ごろ読んでいた。備忘のために。ヤロミールと母の物語に続く第2部の、それまでと同じ水準で語られるクサヴェルの物語を読みながら、カズオ・イシグロの『充たされざる者』を思い出した。まるで夢見のように自在に変形しながら移動する場所と時間。クサヴェルの物語は後にヤロミールの詩作だと解き明かされるが、この変形する場所と時間の語りは、とても魅力があると思った。
そういえば、『充たされざる者』が満を持して文庫化された。同時に『私たちが孤児だったころ』も。新作の『わたしを離さないで』は読後の後味があまりよくなかったが、この2作、とくに『充たされざる者』はハードカバーが絶版だったこともあって待ちに待っていた。
by e3eiei | 2007-06-10 14:29 | 見聞 | Trackback | Comments(0)
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