佐賀市は標高4メートルだそうだ。白山の水準点で3.7メートルとなっている。
嘉瀬川から取水する多布施川の取水口「石井樋」のあたりでは10メートルは超えているだろう。金立(二本松)の二等三角点で17メートルとある。そのわずか10数メートルの標高差の有明海まで10キロ余りの町に、総延長2000キロメートルに及ぶ水路と川が流れている。その多くは江戸時代かあるいはそれ以前に設営された水路である。ちなみに、多摩地区から江戸にかけて43kmを直線的に流れる玉川上水が標高差100メートル弱だと言うから、扁平に広がる水田地帯をどのように水を流したのか、思いも及ばないことである。 佐賀の水田地帯のクリークはよく知られるところであるが、旧佐賀市内も水の豊かな街であった。あらゆる道路に寄り添うように川が流れていた。家々の表と裏に流れがあった。50年代までは川は暮しの中に深く入り込んでいて、澄んだ流れは家事のための水源であり、子どもの遊び場でもあった。水郷と言う言い方はされないが、流れる水のある景色はなじみのものでもあり、気持ちが落ち着く。 川がいったいどのように流れているのか。 深川保,1993,『佐賀市の川と橋』(佐賀市)は著者がある懐かしさをこめて歩いて書き留めたものである。だが流れの秘密はわからなかった。
by e3eiei
| 2006-10-02 23:13
| 見聞
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