人気ブログランキング | 話題のタグを見る

喫茶ルオーのセイロン風カレー

喫茶ルオー@本郷3丁目東大正門前

本郷に用があり、お昼はルオーでカレーにしようと決めていった。
イチョウと楠の美しい並木道をてくてく歩いて行くと、やがて正門前の信号のたもとに思ったより軒の低い、白いパレットをデザインした吊り看板が見える。小ぢんまりしたドアを開けると、ロマン派のピアノコンチェルトが流れ、ほの暗い細長い店内に整然とテーブルが並び、そのひとつに店主のおじさんとおばさんが掛けておられる。とても和やかな応対で迎えられて気持ちが一段くつろぐ気がする。2階に上がると窓際の席が空いている。

セイロン風カレーは業務用ではない、小麦粉を炒めたルーで作ったふつうのカレーだ。よく煮込まれた豚肉の赤身の塊がごろんと一かけ、ジャガイモもごろんと。ジャガイモのふつーな感じがお母さんのカレー風だ。とりわけスパイシーというわけでもなく、The喫茶店のカレーという趣。食後にデミタスカップのコーヒーがつく。コーヒーもとりたてておいしいというわけでもない。

雰囲気は抜群にいい。おばさんのさりげない気配りと和やかさが気持ちがいいのもあると思う。ロマン派のコンチェルトが流れていて壁には油彩の絵画が掛けられている、というのもとてもそれらしくていい。古い木製の椅子の背板はコーヒーカップの形がくりぬいてあり、それぞれにモスグリーンの小さい座布団が置いてある。これぞ昭和の喫茶店、という一つの典型を見るようだ。お昼時は先生と院生みたいな組み合わせのグループでにぎわうが、そのあとはそれぞれ勉強したり読書したり静かなおしゃべりが続いていたり。窓の外には美しい並木道の緑がいっぱいに広がっている。

残念ながらあまり長居はできなかったが、ゆっくりしたい場だ。


セイロン風カレー デミタスカップのコーヒーがついて950円。 飲み物はいろいろ選択できる。
by e3eiei | 2010-05-02 01:52 | 食べたもの | Trackback | Comments(0)
<< 中華パンダの鶏肉と大根煮込み定食 まぐろのなかだ屋のづけ丼 >>